1、東京から遠くはるばる秘境の地


奥飛騨で道路交通法違反で東京に帰って来た私は、すぐさま銀行に行き罰金の30万円を振込、数万しか残ってなかったので、人材派遣の仕事を半年間働き、貯蓄を蓄えた訳であります。何しろ自動車という足がなくなった以上、次にお世話になる働き口までの交通費がかさんでしまう為、貯蓄の方も余分に蓄えていた方が安心だからです。そして、整ったところで求人雑誌を買いに行きました。遠くもなく、近くもなく、自然豊かな所。白骨温泉が載っていたのです。早速電話して、白骨温泉のT旅館で働く事が決まり、翌日、荷物をまとめて出発する事となります。行き方は、バスタ新宿から高速バスで松本行に乗り、終点の松本バスターミナル到着。松本電鉄で松本駅から終点の新島々到着。新島々から白骨温泉行きのバスが出ていますが、本数が少ないのでご注意ください。車の場合、国道158号沿いに白骨温泉の看板があるのでそこを入って道なりに行けば、白骨温泉に着きます。しかし、冬季間通行止めなので、乗鞍高原経由でしたら辿り着きますが、雪道で道路が狭い所もあるので要注意です。路線バスも白骨温泉の看板の道を入ると、道沿いに渓流が流れており、道は段々上り坂が急になってきます。途中、ヘアピンカーブが立て続けに2つあり、バスも切り返しをしないと進めない珍しい光景です。一方、乗鞍高原経由は、緩やかな道が続いており、道からは天気が良ければ乗鞍岳を眺めることが出来ます。正に、山の奥の秘境に当たる所に白骨温泉の旅館集落が2つに分かれて点在しているのです。夏でも比較的涼しい方だと思います。都会では熱中症といわれますが、まず、そういうのは私自身感じたことはないですね。白濁の温泉に入り、朝食で温泉粥を食べれば元気も100倍ですね。本当に温泉以外何もない所なので、静かでいい所です。中には、作家の方や絵描きの方など1か月位滞在して、落ち着いた環境の中温泉に毎日入りながら活動なさってた方もいるとか。交通の便の少ない環境なので、どちらかというとマイカーで来るのをお勧めします。それでは『白骨温泉物語』をお楽しみください。