6、行き先初めてのドライブ旅行と捜索願


所長から:「たまには、2日、3日かけて旅行でもしてきたらどうかね?」と言われたので、(それもそうだなぁ)と思い、今までに行ったことのない場所で2~3日で行ける所を探して計画を立てる事にしました。自分の部屋に戻り、日本地図を片手に悩みに悩んだ結果、2つに絞りました。広島県平和記念公園、厳島神社、秋吉台で日本海沿いを鳥取市方面へ戻るルートともう一つは、四国一周の旅です。どちらかというと軍資金がそこそこあって車で回り易い環境であることを考えると『四国一周の旅かな』という具合で甲乙つけ難いながらも四国に期待をして、吉岡温泉ケアハウスを出発した訳であります。鳥取市を南下し岡山方面に向けて車を走らせ、岡山県に入り国道を15km位直進したら自動車専用道路のI.Cがあったので入口に入り、瀬戸内海に向けて南下しました。5分経たないうちに、目の前に広がる瀬戸内海とつり橋、遥か彼方に薄っすらと四国の影が見えるのです。約15~20分かなぁ、四国の扉を開いたのです。香川県です。I.Cを降り走らせると讃岐うどんのお店がいっぱい。どのお店を入ればいいか分からないくらいです。白出汁で関東では考えられない透明なそばつゆでした。文化の違いですね。とても美味しかったです。お腹が満たされたところで、四国を左回り徳島県を目指します。夕日も暮れて、夜のドライブの始まりです。徳島に入った頃、雨が叩きつけてき、対向車のヘッドライトが煌びやかに歪んだ。強く弱く無色透明の光の屈折がまるで雨神様の様に芸術的に私を楽しまさせてくれる。観光地に行けなくとも心に残る四国の刻まれた思い出になった。1時間半の雨の旅が終わると高知県にバトンが受け継がれ南国ムード漂うヤシの木が国道沿いで出迎えてくれた。只今の時間夜の22時。青い道先案内人が僕の事を勧めるのですが、聞いた事もない地名に夜の時間が輪をかけ、僕の勇気の力を吸い取られる思いでした。何ゆえ電灯が少ないのです。このまま国道を愛媛県方面へ北上します。只今、深夜2時半。このまま県境へと走らせ、しかしながら、悪霊に取りつかれたのか、予想もしない出来事に驚かされる結果が待っていたのであります。四国と言えば霊場。悪霊なのかご先祖様なのか?県境を越え愛媛県に入る。只今の時刻早朝5時、宇和島であります。いきなり、眠気が襲ってきた。八幡浜の方に左折しよう。そうです、居眠り運転です。アクセルは踏んだまま寝ていたのです。目が覚めると目の前に電信柱、急いでブレーキ、ハンドルを切り電信柱は逃れたものの、ガードレールにタイヤが挟まり、タイヤはバースト。この日本一周の旅は交友関係を全部断ち切るという自分自身のルールで新たな発見を目的としていたので、携帯は持っていない。さあ、どうしよう。公衆電話も家も近くにない。走っている車を止めるしかない。車が止まった。110番してもらえますか?お巡りさんが来てくれたのです。とりあえず、タイヤ交換をして、免許証を見せたところ、お巡りさん:「おたく、捜索願が出てるよ。一度、実家の方に電話してもらえるかなぁ?署まで来てください。今どこに住んでいるの?」てな具合です。警察署から電話をし、実家の父:「ちょっと出かけて来ると言って、半年以上帰ってこないのは何事だ。今働いている会社の電話番号を教えなさい。」こっぴどく怒られました。大の大人がなさけない。ケアハウスに戻ると「平森さんお父さんから電話ありましたよ。実家の東京に戻った方がいいのでは?」幹雄:「東京まで帰る燃料費が足りないのであと1か月だけ働かせてください。お願いします。」そのことも実家の父に伝え1か月後東京に帰る事となる訳です。