4、正に日本の外国『釧路湿原』過ぎ、ようやく厚床


朝9時に帯広駅を出発し、右手は太平洋、左手は牧草地帯で牛の姿も見受けられる。そうです道東(北海道の東側)は酪農の都市、のどかで自然と心が広くなれます。1時間半で何だかんだで釧路を過ぎ、ここからが更に別世界。釧路湿原の一部を1輌列車が通るのですが、日本ではここだけではないでしょうか?全て野生の動物。本州では考えられない景色。スケールの大きさ、全てが兼ね揃っている。そして、こんなこともある。いきなり列車が急停車。何かと思い列車の一番前に行き進行方向のさきを見てみると、蝦夷鹿の親子が線路を塞いでいる。運転手は『プォーン、プォーン』と近づきながら警笛を鳴らし、蝦夷鹿は物凄いスピードで森の中へ逃げて行きました。キタキツネも出てきましたね。猫のような感じで尻尾が太い。よく見かけますよ。荒らされてない湿原として感動致しました。この様に思うと私は幸せなんだんぁと少し勇気が出てきました。時がゆっくりと流れもう間もなく厚床に着きます。厚床の駅は線路が単線だったのが駅に入り上下線1線ずつの複線に変わり上り線の列車を待ちます。何とも味のある風景ですね。改札口を出て酒屋(何でも屋)と焼肉屋があるだけで後は牛舎と牧草地帯が広がっています。牧草地帯が沢山広がっており景色は綺麗でした。牧草地も真っ平ではなく幾つか丘が点在し、4月だったので浅い緑で覆われていました。厚床駅から公衆電話で畜産会社に電話をして迎えに来てもらい、トラックで1~2分の所に住み込みバイトのの家と牛舎が私を出迎えてくれていました。『夕方の仕事からやってもらいますから、今は体を休めておいてください。』すごく緊張しましたね。夕方4時に『仕事やるよ』とにかく頑張ろう。それだけでした。いざ牛舎に入ってみると、近くで見る牛は体が大きく、鳴き声、息の音も迫力ある。首輪は着けてあるものの、私自身が牛たちにとって初顔合わせだったもんで牛も興奮してしまい首輪の中で首を上下させながら威嚇する。初めは怖かったですね。そのうち仕事のやり方も馴染んでくるのですが、動物相手の仕事は面白いと、この時そういう考えも芽生えてきた気がします。そうこうしているうちに夕方からの仕事約4時間が終わり社長から今日は入社祝いとして焼肉パーティーをするから風呂入ったら部屋で待つように言われました。嬉しかったです。厚床駅近くの焼肉屋でビールと焼肉を御馳走になり、体力をつけて気合を入れて頑張ることを自分自身に誓い酪農生活がこれから始まるのです。