1、青春18切符4日間の旅


フランス、イタリア料理食材輸入専門商社をやめる事となり、社長に最後に言われた言葉を今でも覚えております。私の仕事に対する姿勢は認めてもらったものの、コミュニケーション能力がかなり足りなかったのです。そんな私に対して『人の言葉が刀だとしたら、その刀を振り回す人間を貴方はどう思う?平森君?キチガイだと思わぬか?』私はハッっと思いましたね。『鳴かぬならそれもまた良しホトトギス。』言葉はタイミングである事に気付かされたのです。僕にとって人生の宝物ですね。一生涯感謝するほど私の心に響いた訳です。時は辞職してから一週間が経ち日本一周する為の軍資金を貯める為1年間人材派遣の仕事をしてました。私の知人に紹介してもらった仕事で1年後日本一周することも伝えたせいか、8か月位たった時、地方への出張の仕事として山形県、秋田県への車塗装のインクの陳列の仕事をやらさせてもらいました。山形県で、一緒に行動した相棒が、「ナイトクラブへ行こうよ」と言ったので「そうだね」といい、1人5000円でカラオケ歌ったり、チークダンスを踊ったりしたのを覚えています。遠距離片思いだったいい思い出でしたね。仕事として関東から出たことがなく、この地方への出張が良い経験になりました。さて、時が1年経ち、一番初めの働く場所を北海道の根室・厚床に定めました。飛行機も特急列車も北海道に着いた気がしないと思い、青春18切符で厚床まで行けば途中で美味しいものが食べられると思い計画を練ったのです。最初の目的地は山形駅。この頃から不思議な事が起こり始めていたのです。(*統合失調症の始まりです。)青春18切符はご存知の通り1日フリー切符が5枚綴り。1枚のフリー切符で1日間どの駅も乗り降り自由という安くて充実した切符でありました。私は、電車旅が長くなると思い、CDウォークマンとCDを30枚程持って行き、その当時の新しい曲から古い曲まで色々混ぜながら聴いて窓越しの風景を堪能していたのです。そして、駅を降りる所は大体決めており、その時乗っている電車の終着駅で、尚且つ次の電車の乗り継ぎ連絡時間まで時間があるところでその町を散策していたのです。そうすると町中の商店街で流れている曲は、先程電車の中で聞いていた曲。また電車に乗り、また電車を降りたら今度はさっき聴いていた古い曲が商店街で流れる。1回目は良くある話。時代の最先端に乗っかっているんだなぁ。2回目は偶然だ。3回目は偶然だ、気のせい気のせい。4回目は、何だ?偶然にしてはおかしい。5回目は気持ち悪い。偶然と偶然が重なっている。そうしているうちに、山形駅に到着した訳です。着いたと同時に、居酒屋に入りテレビを見ると自民党のK議員(山形から出馬した)が自民党を離党。その日の夜は以前お世話になったナイトクラブへ行き近況を伝え、次の日も早いので積もる話はしたかったものの1日を過ぎる時間にあきらめざるを得なかった訳であります。酔っぱらった状態でJR山形駅に行き山形駅始発北海道方面はどこまで行けるか聞いた所、長万部まで行けると聞いたので、長万部のビジネス旅館の予約を取り明日朝、6時に山形県を出発することにしました。